MAGAZINE:

  • SALUS
  • 10月号Vol.223 / Oct / 2019毎月20日発行
  • 特集:"私の香り"を見つける
  • 今月の街さんぽ:多摩川
  • もらって嬉しい手土産スイーツ:Atsushi Hataeケーク マルブル バニーユショコラ〔東横線/代官山〕
  • 連載: 宇宙のカケラ/この街で、働く人たち/星が導く!お悩み相談室

INFORMATION:

2019/9/20:
SALUS10月号を発行しました。
2019/8/20:
SALUS9月号を発行しました。
2019/7/20:
SALUS8月号を発行しました。
2019/6/20:
お詫びと訂正:SALUS 7月号の誤りについて
2019/6/20:
SALUS7月号を発行しました。

SHOP:

アロマオイルの楽しみ方
身近な物や場所に精油を1滴垂らすだけで、
活用シーンが広がります。

 
 
バスルームの床に垂らしてからシャワーを使うと、蒸気で香りが拡散し、全身で芳香浴が楽しめます。

 
 
タオルの四隅の1カ所に垂らすだけで天然の香りが広がります。ただし、生地が変色する場合があるので要注意。

 
 
しおりに垂らして表面が乾いたら、手帳や本、名刺ケースにはさみます。開くと香りがほんのり漂います。

 
 
お湯を注いだカップに垂らし、湯気で香りを拡散。この方法なら、旅先のホテルなどでも試せます。誤飲に注意。

 
 
小さな貝殻(巻貝など)にコットンを詰め、隙間に垂らして。サシェとしてバッグなどに入れると香りが移ります。

 
 
適当にカットした厚紙に垂らしてティッシュボックスの中へ。ティッシュに香りが移り、使うたびにいい香り。

MACHI-SANPO:

多摩川
東急多摩川線のターミナルで、
東横線・目黒線も乗り入れる多摩川は、
大きな邸宅が建ち並ぶ閑静な住宅地。
のどかな多摩川を中心に広がる、
この街の見どころを紹介します。

COMME PARISコムパリ
本場フランスの味を凝縮した
ひと口サイズの焼き菓子が人気
2016年に白金から多摩川へ移転オープンした、フランス焼き菓子専門店。保存料・着色料は一切使用せず、フランス産の小麦粉、高千穂のバター、自然栽培されたバニラビーンズなど、選りすぐりの材料を使い、芳醇な本場の味を届けています。1番人気は、かわいいひと口サイズに仕上げた、カヌレやマドレーヌなどのプチケーキ。詰め合わせも販売しており、手土産にもおすすめです。
○もっちりと濃厚な「カヌレ」(¥125)、バターの風味豊かな「ヴィジタンディヌ」(¥75) など、プチサイズの焼き菓子 4種類を詰め合わせた「プチガトーアソート BOX(12個入)」(¥1,485)。 ○プチケーキは1個から購入可能で、気軽に楽しめます。○季節に応じたタルトやパウンドケーキも並びます。

住所:大田区田園調布1-24-19 電話:03-6715-6047 営業時間:11:00~17:00 休:火
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田園調布倶楽部レストラン 
非日常のひと時が過ごせる
一軒家のレストラン
閑静な住宅地に佇む瀟洒なレストラン。2階へ進むと開放感のある吹き抜けのレストランフロアが広がり、非日常を感じる空間で、イタリアンにフレンチを融合させた季節ごとの料理を味わうことができます。ランチ・ディナーから、貸切や結婚パーティまで多様な使い方が可能。1階には和牛や旬の魚介が楽しめる「鉄板焼き田焼」と、テラス席のあるカフェを併設しています。
○ディナーの「季節のおまかせコース」(¥7,000) はアミューズからデザートまで全6皿。この日の温前菜は「蒸し穴子とフォアグラのポアレ」、メインは「米沢牛のグリル 旬の焼野菜添え」。○コースより「ハモのプッタネスカ ロザマリーナ」。旬を取り入れたパスタはランチセットや、ディナーのアラカルトでも楽しむことができます。
住所:大田区田園調布1-52-17 2階 電話:03-5483-3300 営業時間:11:30~14:00L.O./17:00~22:00L.O. 休:月 ※祝の場合は翌日休 禁煙
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FRANKINCENSE+SHOPフランキンセンス・ショップ
シンプルでナチュラルな
衣・食・住のアイテムが揃う場所
店名につけたフランキンセンスは、古くから神聖とされてきた香りのもととなる植物の名前。この香りのように、心安らぎ、暮らしを豊かにする商品が店には並びます。長く使える上質な家具や日用品、オーガニックな洋服やコスメなど、どれもオーナーの酒井しょうこさんが実際に使って良いと感じた"人と地球に優しいアイテム"ばかり。ガーデングッズを集めた小さな裏庭もお見逃しなく。
○酒井さんがデザインした器や雑貨などオリジナル商品も豊富に展開しています。○敬虔なカトリック教徒である酒井さんは、環境保護の聖人である聖フランチェスコにインスピレーションを得て、この店をオープン。聖人にまつわるアイテムも揃います。○オリジナルの「アロマライト」(¥3,800) と「フランキンセンスオイル」(¥2,000)。心が静まる聖なる香りです。
住所:大田区田園調布1-61-9 1階 電話:03-6715-6061 営業時間:12:00~18:00 休:火

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hiff cafe tamagawaヒフ カフェ タマガワ
カフェと動物病院がひとつに。
ペット連れに優しい新複合施設
元ブルーボトルコーヒー初代バリスタの向山 岳さんが監修・焙煎したスペシャルティコーヒーや自家製ドリンクなどを提供するカフェ併設の皮膚と耳専門の動物病院。ペットの診療中やトリミング中のコーヒーブレークのほか、地下のテーブル席やテラス席では愛犬・愛猫と一緒に食事も楽しめる都内でも貴重なスペースです。多摩川や公園への行き帰りにふらっと立ち寄っても◎。

○ランチの定番「バターチキンカレープレート」(¥1,080)。○カフェラテ(ホット ¥650)はスッキリとした豆の味わい。自家製「焼きりんごタルト」(¥550)は、+¥200 で「アイスクリーム&生クリーム」をトッピング。○入口にスタンドつき。○地下スペースの診療室とテーブル席。


住所:大田区田園調布1-61-10 地下1階・1階 電話:03-6459-7555(クリニック、カフェ共通) 営業時間:月・金10:00~17:00(火・水・木~22:00)土・日~17:00 休 :無 禁煙

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多摩川台公園 
古墳を内包する
田園調布の憩いの場
多摩川沿いの丘陵地にある全長約750メートルの大型公園。春は桜、梅雨はアジサイの名所と知られる園内には、古墳をはじめ、水生植物園や野草園、広場などを有するほか、6世紀後半に関東で造られた前方後円墳をモデルにした「古墳展示室」も。晴れた日は「自然林の道」から丹沢の山並みや富士山を望むことができ、その景色は、国交省が住民の投票をもとに選定する「多摩川八景」に認定されています。
○今年リニューアルした「自由広場」は遊具を新設。○「多摩川八景」に選ばれた景観。○野草園は、"アオスジアゲハの舞う街づくり"を目指す大田区のプロジェクトの一環でチョウが集う樹木が豊富。 ○古墳は、国指定史跡「亀甲山(かめのこやま)古墳」、都指定史跡「多摩川台古墳群」「宝萊山(ほうらいさん)古墳」の3 つ。○都内でも珍しい「古墳展示室」。

住所:大田区田園調布1-63-1 電話:03-3721-1951(管理事務所) 営業時間:公園24時間開園 古墳展示室9:00~16:30(入室は16:00まで) 休:月(古墳展示室) ※祝の場合は開室
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燔々亭 田園調布店バンバンテイ
極上の焼肉とともに味わう
本格韓国料理
創業28年目の老舗。マッコリや韓国焼酎などのお酒のアテには、牛スジを煮込んだ「素肉」や牛頬肉を蒸した冷製「片肉」などの本格韓国料理を味わえます。焼肉は、山形を中心に、国産の上質な黒毛和牛のリブロースやモモ肉を厳選。〆には、定番の冷麺はもちろん、トウガラシの辛さと和牛ダシのまろやかさが絶妙な韓国・大邱地方発祥の名物スープ「大邱湯」がおすすめ。

○名物の「大邱湯(テグタン)」(¥1,000)はお持ち帰りも可能。○手前から時計回りに、奈良の白醤油にくだものを漬け込んだ自家製ダレでいただく「カルビ焼」(¥1,800)と「特上サガリ焼」(¥1,800)、「素肉(スユック)」(¥500)、マッコリ(4合¥2,500)、サラダ(¥800)、「片肉(ピョニュック)」(¥800)、白菜の「ペチュキムチ」(¥500)。○店内は夕方から混み合うことも。
住所:大田区田園調布1-52-5 電話:03-3722-1441 営業時間:17:30~20:30L.O. 休:火、第2水 喫煙可
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鳥久 若鳥焼トリキュウ
鶏本来のおいしさを堪能できる
創業47年の焼き鳥店
1972年のオープン以来、地域住民に愛される老舗。焼き鳥には鳥取の銘柄鶏「大山鶏」を使い、丸鶏のまま仕入れ、店で捌いて提供。看板メニューの「手羽焼」は、ひと皿でさまざまな部位が楽しめる、この店ならではの逸品です。鶏から野菜まで素材選びと火入れにこだわり、旨味や食感を引き出した串ものは、3本セットが基本。手頃な価格で肩肘張らずに楽しめるのも魅力です。

○ひと皿に盛り合わせた「ねぎま」(¥315)、「つくね」(¥315)、「鳥軟骨」(¥408)、「ししとう」(¥402)。すべて3本セットの価格です。ヘルシーで老若男女に人気の「トマトハイ」(¥500) と青森産の「長芋の千切り」(¥458)もおすすめ。○「手羽焼」(¥800)。脂の乗った手羽先やコリコリとした食感のやげん軟骨、みずみずしい胸肉など、部位ごとのおいしさを味わえるひと皿。
住所:大田区田園調布1-55-7 電話:03-3721-1891 営業時間:月~土16:00~23:00L.O.(ドリンク23:30L.O.) 日・祝15:00~22:00L.O. (ドリンク22:30L.O.) 休:火 禁煙
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back to Nature
バック トゥ ネイチャー
色とりどりの花やグリーンと
楽しい雑貨が集まるお店
長年、花の仕事に携わる大川智子さんと、妹でスタイリストのジ ュンコさんの姉妹で営むお店。多摩川の水辺に立つ店内には、生花や多肉植物、国内外からセレクトされた雑貨がずらり。「自然のなかに咲く花の美しさを届けたい」と語る智子さんのディスプレイには、生活のなかで草花を楽しむヒントがあふれています。営業は土日のみで、10月に新しくスタンドカフェがオープン。

○服飾作家「ウォンカ」としても活動するジュンコさんが作る布小物やアクセサリーも販売。ネコのぬいぐるみ(¥5,940)。○生花が迎える店内。2階では花生けのレッスンも開催。○「エアプランツのハンギング」(¥3,500)。植物を使ったオリジナルアイテムにもセンスが光ります。○ 素朴なおいしさの「めぐみ焼き菓子店」の焼き菓子も販売。

住所:大田区田園調布1-55-20 浅間ビル109 電話:03-5755-5662 営業時間:9:30~18:30頃(日没とともに閉店) 休:月~金(平日は花の予約販売のみ対応)
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多摩川ダイナー 
のどかな多摩川沿いに佇む
開放的なアメリカンダイナー
駅から徒歩3分。「多摩川浅間神社」の裏手に構える「多摩川ダイナー」は、何といっても多摩川を見渡せる絶好のロケーションが魅力。晴れた日はオープンテラスでサンドウィッチやハンバーガーを食べるもよし、夕暮れにコーヒーでひと息つくもよし、武蔵小杉の夜景を眺めながらビールやカクテルを飲むもよし、それぞれの時間を心ゆくまで過ごせる場所です。また、Tシャツをはじめ、オリジナルグッズの展開も。
○ビーフ100% にこだわったパテをふかふかのバンズで挟んだハンバーガー(¥1,380)はランチの定番メニュー。フライドポテト・サラダ・スープ・ドリンクがつきます。○壁一面の壁画とインダストリアルスツールが印象的な店内。○屋外が気持ちの良いこの季節はテラス席もおすすめ。


住所:大田区田園調布1-55-20 浅間ビル5号 電話:03-5483-0770 営業時間:11:30~22:00L.O.(祝~20:00L.O.) 休:月 分煙
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ふきだし
ふきだし
シェフの美学に触れる、
正統派フレンチ
UN DE CES JOURS
 自然のモチーフが施されたモスグリーンの布地のソファに、イギリス製のアンティークチェスト。店内へ一歩足を踏み入れると、オーナーシェフ河井健司さんのこだわりが光ります。ここは、約25年前にフレンチの「サ・マーシュ」として開店。オープニングより長年修業を積んだ河井さんは、その後、パリの星付きレストランで料理の研鑽を重ね、10年前「サ・マーシュ」の跡地を継ぎ独立しました。
 「食べたいものを自由に召し上がっていただきたいので、うちはメニューから料理を選んでもらうスタイルにしています」と、河井さん。お店で提供するのは、カジュアルでありながらもフレンチの伝統的な技術を貫く懐が深い料理。この日のメインは、現地のスタンダードな料理「骨付き仔羊」。河井さんは、「調理過程のなかで、あえて骨を付けたまま焼くことでよりジューシーに仕上がります。実は、手で食べるのがいちばん美味しい食べ方なんですよ」。
 料理の美しさだけでなく、洋白銀のシルバーウェアや2枚重ねのテーブルクロスなどにもセンスの良さを感じるお店について、「食文化を理解したうえで襟元正していかないと、『フランス料理』と名乗るのも憚られるんじゃないかと思います。それが伝わるといいなぁと思ったりもしますね(笑)」と笑顔で語ってくれました。
  • ○この日メインに選んだのは、「ニュージーランド産 骨付き仔羊」。羊の部位で、ローストして最も美味しいといわれる背肉を使用。○赤い果実の自家製ジャムを添えた前菜「フォアグラとドライプラムのテリーヌ」。前菜、メインを選べる「おまかせコース」(¥9,000)。○ゆっくり食事を楽しめる落ち着いた店内。
アンドセジュール
住所:大田区田園調布1-11-10 1階 電話:03-3722-9494 
営業時間:12:00~13:30L.O./18:00~20:00L.O. 休:月、第2・第4火 ※祝の場合は営業、翌日休 禁煙

SWEETS:

  • 撮影 = 星川洋嗣 スタイリング = 田口恵美 文 = chico
  • Atsushi Hatae
  • 〔東横線/代官山〕
  • ケーク マルブル バニーユショコラ

セオリーにとらわれない、記憶に残るお菓子

 バニラを鞘ごと食べるなんて初めてだ。「バニラビーンズと鞘、両方の香りを楽しんでほしい」、そんな思いから波多江篤シェフが編み出したのは、こそげた種だけでなく鞘までペーストにして混ぜ込んだ前代未聞のパウンドケーキ。ほかにない「記憶に残るお菓子」を生み出すため、製菓のセオリーを軽やかに超えるアプローチは大胆にも見えるけれど、イメージしたおいしさを追って試作を繰り返す姿は、ひたすら緻密で実直だ。自在なクリエーションのルーツは「ル・ムーリス アラン・デュカス」(パリ)や「ドミニク・ブシェ トーキョー」など、パティスリーより長いレストランでの経験にもありそう。実際、バニラの鞘のペースト化もレストランでよく使われる機械で叶えたとか。美しいマーブルに見とれつつ「ケーク マルブル バニーユショコラ」をいただくと舌にしっとり溶け、バニラがプチプチ。その香りは強いというより静かに奥深く、ふくよかな余韻はいつまでも続くのだった。

MAP

  • お茶の時間をとびきり豊かにしてくれる「ケーク マルブル バニーユショコラ」¥2,000。ケークマルブルはほかにショコラキャラメル、マッチャバニーユ、キャラメルバニーユの全4種。
  • Atsushi Hatae 代官山店
    住所:渋谷区猿楽町17-17 MH代官山1階
    電話:03-6455-2026
    営業時間:11:00~19:00
    休:月(祝日の場合は翌日) 
    アクセス:代官山駅北口改札正面口から代官山公園横を抜け八幡通りに出て、代官山郵便局の交差点を渡る。3分ほど直進し、3つ目の角を左折。1分ほど直進した右手。代官山駅より徒歩7分。 ※用賀店、高輪店とともに今年7月に3店オープン。
  • chico ◉チコ
    スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。